巷を騒がせているドローン。首相官邸に不時着してテロ騒ぎになって一気に有名になりました。また、動画配信をしている少年Nがあちこちでドローンで騒ぎをおこし、まるでドローンは悪い物のようなイメージが付いています。そもそもドローンって何かというと、自律制御飛行が可能なロボット飛行機です。広義では無人偵察機もドローンの仲間ですが、ここではクアッドコプターの小型ドローンのことをドローンとさせていただきます。プログラムされた通りに飛んだり、バッテリーが無くなりそうになるとGPS情報をもとに自分で帰ってくる賢いヤツです。一昔前は考えられないようなハイテクですね。いや、厳密に言うとこういう技術は元々ありますがこんなロボットを一般庶民が入手できる価格であるというのがさすが21世紀だと思わせます。みんなドローンをどのように使っていたのかというと、空撮がメインです。昔は空撮したかったら凧にカメラをくくりつけてやるか、昔ながらのラジコンヘリに付けてデジカメをお釈迦にするのを覚悟して空撮にチャレンジしていました。ドローンの場合、ロボットなので自分で離陸して計算通りに飛んで凧やラジコンヘリより格段に安全な着陸をします。落ちることもありますが。あと、ドローンは元々飛行場近く等危険な場所は飛べないようプログラムされています。悪意の無い善良なユーザーが間違いを起こさないように。しかし、あの事件まで首相官邸の屋上は飛んではいけない場所としてプログラムされていませんでした。いずれ誰かがやるであろうこのようなテロ行為が起きてしまいました。そして、話題に乗るかのごとく動画配信する少年Nが一部彼の信者と呼ばれる視聴者(アホで卑怯な大人たち)に乗せられてあちこちでドローン騒ぎを起こしました。信じられないことに、動画配信や地方への移動、撮影機材やドローン本体の費用は視聴者達の寄付で捻出していたのです。まさに、少年自身がアホな視聴者達の「ドローン」になっていたわけです。無責任な大人達は安全な場所から少年Nを操って快楽を得ていたわけなので、ある意味彼への寄付は玩具代のようなものなのでしょう。こういう製品がこのような使われ方で有名になるのはメーカーとしては不本意に思えますが、中国のドローン製造最大手の会社は「タダで宣伝してくれてありがたい」という反応のようです。なにせ、ここ一連の事件で日本からの発注が殺到したらしいのです。危険行為に悪用されないよう法整備は必要だと思いますが、まあ一年も経ったらみんな忘れてもともと空撮が好きなマニアだけの玩具に戻っていることは間違いないでしょう。

☟写真のラジコンはドローンではありませんが、空撮するならこんなんで充分。