大阪市街地→高野山→十津川→熊野本宮→那智→新宮→白浜→龍神→高野山→大阪市街地
と、奈良を含む主に和歌山県内の山岳地帯を走ってみました。 山岳地帯だけに、上りあり下りもあり、クネクネした曲がりも無数にあり、さらにはおにぎり印を掲げた国道でありながら実際は酷道である区間と、路面状況も快適な舗装路から落石ありのデコボコした路面、グラベルターマック複合区間と、酷道はまるでラリーのような状況で、ナビ(コ・ドライバー)は居ないのでカーナビの画像を頼りに道路の線形を予測しながら我がパートナーの6RDAJ(2017年式Polo GTI)で述べ14時間におよぶディープな走行テスト兼、宛てのないぶらり旅をしてみました。

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なぜ酷道を含む山岳地帯を走行テストしたのか?そう、それは以前取り付けたロアプレートによりどれだけ車体のうねりが改善されているのか?とそのあとに取り付けたロアアームバーによりどれだけステアフィールが改善されたのか?という体感をしっかりとテストしてみたかったのです。


 といっても比較対象は以前のパートナーLADC5(2001年式インテグラタイプR)と較べてどんな感じなのかということであり、実際にタイムを測ったとかその場に2台用意してリアルタイムに乗り較べたわけではなく、記憶に基づく比較となるわけですが2017年の夏まで16年近く、20万キロオーバー乗っていたインテなので感覚は身体に染み付いたままと言って差し支えはないと言えます。

もちろん、上記の殆ど全てのルートはインテRでも通ったことがあり、(ちょっと強度を上げた)Polo GTIとどのような差があって、新しいパートナーの魅力を見出してこれから付き合っていくのか、そんなことを確かめるようなドライブでした。 まず、山岳地帯である以上はワインディングロードとなるため、曲がる性能も大いに比較対象となります。当たり前ながら走る、曲がる、止まるにおいて「曲がる」の部分はタイヤの性能が大きく左右します。

タイヤ性能に差があればアンフェアと言えますが、幸いにもインテで履いていたタイヤもPoloのタイヤもBRIDGESTONEのPOTENZA S001です。サイズはインテが215/45R17で、Poloが215/40R17なのでほぼ同じというか、無視していいレベルの違いなのですが、Poloの方は新車時装着の純正なので市販品より品質の劣る「名ばかりのPOTENZA S001」ですが、別にサーキット場でコンマ1秒を争うような走り方ではなく、爽快ドライブ+α(ここの部分にはあまりツッコミを入れないように!)なのでこれも目を瞑っていいレベルの差です。(後述しますが純正タイヤは市販品より劣ることをチラホラ体感します)

特に爽快に走れた区間は国道371号線の高野龍神街道区間。ごまさんスカイタワーを経由する「酷道」ではない方の区間です。こちらは龍神方面からごまさんスカイタワーまで駆け上がり、ごまさんスカイタワーが標高が一番高いのでここからアップダウンを繰り返しながら高野町方面へ向かいます。路面状態も良好で、一般的な「峠道」をスーパーロングにしたようなものです。

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ここを走った日は平日であったため、対向車はちらほらあったものの、ほぼ他の車に出逢うことなく自分のペースで走り抜けることができたので本当にノーストレスでした。 ロアアームバーを付けた効果は? この車種には純正およびサードパーティ製のタワーバーが用意されていないため、サードパーティ製の中からロアアームバーを見つけ出し、装着しています。エンジンルームの中ではなく、ロアアーム同士を繋いでよりダイレクトな強化となるため、おそらくタワーバーよりもダイレクトな剛性UP感が感じ取れるはずです。

ここでひとつ後悔したのが、PoloGTIがまったく補強無しのノーマル状態での山岳走行テストをほぼやっていないため、「ノーマルと補強後」の体感違いがわからないのでノーマルの状態でもある程度山岳を走って感覚を身体に覚えさせていた方が良かったなと・・・なので以下PoloGTIの感想あれやこれやは補強後を基準としたものです。

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これからDC5インテRと6RDAJPoloGTIの体感差を述べますが、あくまでも公道を普通に走るという範囲内であって、危険運転・暴走運転の類とは違うことを充分にご理解いただいた上で内容解釈をしてください。

まず、先にDC5インテRとの山岳走行の違いを述べると、「上りはPoloGTIの方が速く、下りはインテRの方が速い」という結論に至ります。まだPoloGTIに乗り慣れないうちは「上りも下りもインテRの方が速い」でしたが、ターボラグの出るかったるい回転域を無意識にパスできるブリッピングの踏み込み具合を見つけると、できるだけターボラグのかったるさを抑えることができます。そして、1500回転から4500回転までリニアに最大トルク320ニュートンを発生させ続けるので上りであってもシートに押しつけられるような加速をしてくれます。タイヤのグリップが加速に負けるため、少しばかり気を遣う必要があります。おそらく純正装着タイヤの品質が正規市販品と同じ型番のものより劣ることも起因のひとつと考えられます。また、馬力も公称値はインテRが220馬力でPoloGTIが192馬力ですが、実測では「NAが一割落ち、ターボが一割増し」となる法則に則ると丸々逆転してしまいます。それではトルクだけでPoloGTIはインテRの1.5倍もあるため、パワー勝負ではPoloGTIの圧勝となります。

しかしながら、インテRのギヤ比はラリーカーもびっくりのスーパークロスであり、しかもタイプR用に専用チューニングされたK20AというNAエンジンは数値で計れない下の回転からものすごいパワフルなトルクを発生するので、セカンドの立ち上がりの鋭さはターボ車を凌駕します。なので例え上りであってもクネクネしたジムカーナのような低速コーナーが延々と続くようなところではインテRは殆どのターボ車を相手にしても無双します。でも、山岳道路はそんな都合良く低速コーナーが延々と続くわけでもなく、いろいろな線形が無数に続くため、やはり総合的にはパワーで勝る車に較べ分が悪くなります。

まさにそれがインテRとPoloGTIを比較して「上りはPoloGTIの方が速く、下りはインテRの方が速い」という結論なのです。

では「下りはインテRの方が速い」とはどういうことか?これはもう言わずもがな。いくらPoloGTIが一流のハンドリングの味付けに持ってきていても、「GTカー」と「レーシングカーレプリカ」では超えられない壁があります。PoloGTIはトラクションコントロールを入れたまま走っていても、車が「介入」してきていることをドライバーに感じさせない配慮をしているせいか、まるで自分の運転が上手くなったように錯覚してしまいます。低速ではフニャフニャの電動パワステもスピードが乗っているとしっかりずっしりしてくれて、オーバーステアにもアンダーステアにもならないようにしなやかに曲がってくれるし、わざとオーバースピード気味で突っ込んでも何事も無かったように車が「介入」してクリアしてくれる印象です。

それに対し、インテRは油圧パワステに機械式デフと、ドライバーの自己責任で好きなようにしなさいと言わんばかりの「裸の美学」があり、ステアを切りすぎるとヒヤッとするようなオーバーステアが発生したり、たまに前輪の接地感がフッと消えたような感触になったときこそ究極のニュートラルステア状態になっている状態であり、かと思えば自分の意志で舵角調整をしてアンダー状態をつくることもできる、本当に車と意思疎通できる悦びがあり、これもまた別の意味で自分の運転が上手くなったと錯覚させるものを感じるのです。出た当初は「世界最速のFF車」であった名の通り、PoloGTIはコーナリング性能はインテRに敵わず「下りはインテRの方が速い」という当たり前の結論です。

今回はいつにも増してタイトルとかけ離れた支離滅裂な駄文でしたが、我が人生最高のパートナーであったインテRの感触と温もりを忘れないうちに備忘録として記しておきました。

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酷道区間は単純に5ナンバー車が走りやすいよね!